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日本の「伝統的酒造り」ユネスコの無形文化遺産 登録決定
NHK
| Desember 5, 2024
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日本の「伝統的酒造り」には、コメやこうじ、酵母に加えて酒造りに適した水が必要になります。
神戸大学客員教授で地球科学者の巽好幸さんは、酒造りに適した水は地質と深い関わりがあると指摘します。
巽さんによりますと、江戸時代に発展した兵庫の酒どころ、灘では「宮水」と呼ばれる地下水が日本酒の仕込みに使われていて、この水は六甲山系からの伏流水にあたります。
山を形づくる花こう岩は「御影石」の名で知られ、石材として利用されていますが、この花こう岩を通ることで鉄分の少ない酒造りに適した水になると考えられるということです。
また、六甲山系の伏流水は貝殻が豊富に含まれる地層も通過するため、こうじ菌や酵母の働きをよくするとされるカルシウムやカリウムなどのミネラルがほどよく含まれる硬水になるということです。
巽さんは「宮水の硬度が高いことが1つの要因で発酵が進み、出来上がったお酒のアルコール度数が高くなる傾向があります。そのために江戸時代に船で江戸に運ばれていた灘のお酒は、長い間船の上で揺られていても腐らないということで、酒どころとして灘が全国で名をはせる大きな要因になったと思います」と話しています。
灘とならぶ酒どころの広島の西条も周辺に花こう岩が分布しているほか、京都の伏見は背後に分布しているチャートと呼ばれる岩石に鉄分が少ないため、いずれも酒造りに適した水が手に入る条件を満たしているということです。
巽さんは地殻変動が活発な日本列島は、地震や火山の噴火などの自然災害が多い一方、気候や地質学的な特徴が変化に富んでいることが、地酒をはじめ個性豊かな食文化が育まれてきた大きな要因になっていると考えています。
巽さんは「日本の酒造りには地域の風土や、風土を作り上げる最大の要因の1つである日本列島の進化や歴史、地質が関係していると思っています。無形文化遺産への登録をきっかけに、お酒だけでなく地域の風土や地質についても再認識する機会になればいいと思います」と話しています。
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