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【解説】トランプ新大統領就任で何が変わる?安保 経済 外交
NHK
| 6 jam yang lalu
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(国際部 石井勇作デスク)
Q.トランプ大統領、就任直後から動き出してますね?
A.就任式で演説を行った際に、数多くの具体的な政策に言及していました。課題として掲げていた不法移民対策については、メキシコとの国境の非常事態を宣言し、軍を派遣すると表明しました。またエネルギーをめぐっても、非常事態を宣言し、エネルギー価格の高騰によってインフレがもたらされたとして、規制を緩和し化石燃料の増産を行う方針を示しました。この延長といってもよいですが、地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」からの離脱も表明しました。いずれもバイデン政権からの大幅な政策の転換となります。
演説でも言及していましたが、政策遂行の「スピード感」も今回の特徴だと思います。初日から公約の実現、政策の転換を大きくアピールした形です。大統領の権限で、議会での承認を経ずに政策を推進できる大統領令という手法を使っているのもスピードを重視したという面もあるだろうと思います。
トランプ氏は初日から多く政策を打ちだし、アメリカの黄金時代が始まるとしています。ただ、トランプ大統領、就任演説のテーマのひとつは「団結」だとしていましたが、政策転換の中には前政権が進めてきた、多様性を重視する政策など人々の価値観にも関わるものもあります。アメリカで深刻な分断が続く中、選挙で自身を支持しなかった人たちも含めて、どのように国民の結束をはかるのか、まだ道筋は見えていないのではないかと思います。
Q.そして気になるのがウクライナなどの世界情勢がどうなっていくのか。トランプ氏は、今後どのような外交を展開するのでしょうか?
A.外交・安全保障上の最大の焦点は中国といって良いと思います。人事面を見ても、国務長官にルビオ氏、安全保障担当の大統領補佐官にウォルツ氏といずれも対中強硬とされる人物を起用しました。物議を醸したグリーンランドやパナマ運河をめぐる発言も、トランプ氏としては、いずれも中国の安全保障上の脅威を念頭に置いたものでもあります。習近平国家主席と対話もしつつ、一方で中国にどう対抗していくのかが、トランプ政権の外交・安全保障政策の起点、中心となるとも言えると思います。その文脈でウクライナ、中東の政策も影響を受けると思います。トランプ大統領は就任式の演説で力による平和、それも力を行使しないことによる平和に言及していました。
トランプ氏としてはウクライナや中東にアメリカとして人・モノ・カネといった資源をこれまでのようにはつぎ込まない形で、安定をさせようとするのではないかと思います。
民主党のバイデン政権は対中国を念頭に、日米韓、日米フィリピン、あるいは日米豪印のクアッド、さらには米英豪のAUKUSなど、小規模なマルチの枠組みを重視してきました。これについて、トランプ政権で安保担当補佐官を務めるウォルツ氏も先日、こうした枠組みを維持発展させていく必要があると明言していました。
その意味では中国と相対していく上で、日本の役割も変わらず期待されると思います。トランプ政権は確かに「アメリカ第一」、自国優先に軸足を移すと思いますが、変わる部分と、変わらない部分について注意して見ていく必要があると思います。
(※動画は5分21秒。データ放送ではご覧になれません)
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